公益法人等の消費税法上の問題等
公益法人等は、法人税法に特掲されている34事業について、継続して事業場を設けて営む場合には、収益事業に該当し、法人税の申告納付の義務が生じます。しかし、収益事業に該当する場合でも、請負又は事務処理の受託としての業務を行う場合で、法令の規定等に基づき、実費弁償で行われるものであるときは、所轄署長等の確認を受けることを条件に収益事業として取り扱われないこととなります。
この取り扱いにより、公益法人等の官公庁からの事務委託収入等は、法人税法上は課税対象とはならないこととなりますが、消費税法上はこれらの事務委託料は当然に課税対象となります。
また、公益法人等は、消費税法上の「国等の特例」の規定が適用され、仕入控除税額の調整計算が必要となります。しかし、一概には判断できないものの、公開されている財務関係書類等を見ますと、消費税が課税対象となる公益事業について消費税の申告対象としていない事例や仕入控除税額の調整計算をしていない事例があり、適正な申告をしていないものが見受けられます。したがって、公益法人等は、適正な消費税の申告について、さらに努力していく必要があるものと考えております。特に、税務関係団体の消費税の申告については、納税者の模範として適正な申告が望まれるところです。